月と星とカピバラとー宵の乙女的日常ー

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ダブエスのサ終について思うところを綴ってみた

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 公式Twitterの通知が入ったのは一昨日の昼過ぎでした

 目に入ったのは【サービス終了のお知らせ】という文面。真っ先に浮かんだ感情は驚きでも悲しみでもなく「ああ、やっぱ来ちゃったか。」という諦念にも似たなにかでした。よく考えれば利用しているコンテンツのサ終報告は、いつも同じような気持ちで受け止めている気がします。売上やばそうってイベのアクティブとか、SNSの盛り上がりで何となく分かるよね。

 池袋駅の広告で見た Fantome Iris のビジュに心奪われ、サービス開始初日からプレイしだして10か月ちょっと。私がこれまで利用してきたなかで、最短のサ終報告ではないでしょうか。一周年を迎えるまではサービス継続してくれるというのが救いではありますが。(尚、過去にはサービス開始から一か月でサ終になった女性向けゲームアプリもあるらしい)

 ゲームアプリの平均寿命はおよそ3年とのことなので、ダブエスのサ終は、異常な早さで決定したと言えるでしょう。サ終=コンテンツを続けられるほどの利益を生み出せなかったということになると思いますが、実際ダブエスの売上は月5000万以下とかなり厳しい。音ゲー、しかも全曲に3DCG付きとなると、これだけの売上ではコンテンツを継続するのは難しいだろうなというのは想像に難くないです。

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タグ「女性向け」の集計 - #セルラン分析/ゲーム株『Game-i』 (daa.jp)

 では、何故ダブエスはあまり利益を出せなかったのか。ぶっちゃけ要因はいくつもあるのだけど、特にこういう部分が駄目だったのでは?個人的に思う点を3つほど書いていこうと思います。

 ①アニメ放送終了とゲーム開始時期の大幅なずれ

 ダブエスもといアルゴナビス from BanG Dream! AAside は人気ゲームコンテンツ・バンドリから派生したブシロードのメディアミックスプロジェクトです。メディアミックスとは、ある一つの商品、コンテンツの売り上げを伸ばすために複数のメディアを組み合わせて宣伝する手法のことで、アルゴナビスプロジェクトもコミカライズ、映画、ゲーム(ダブエス)、声優によるリアルライブ等様々なかたちで展開されてきました。

 そのメディアミックス展開の一つに、アニメ「アルゴナビス from BanG Dream! が存在します。これは、今回サ終が告知されたダブエスにおけるメインストーリーの少し前の時間軸を描いた作品。ダブエスのメインストは、5つのバンドがライブ・ロワイヤル・フェスなる大会に出場し、バンドの頂点を目指して競い合うという内容ですが、アニメは5つのバンドのうちのメイン・アルゴナビスの結成までの道のりと活躍を綴ったストーリーになっています。(GYROについては割愛)

 つまりは、アルゴナビスが苦労の末に成功するまでを見せ、視聴者に「アルゴナビスいいな!」「彼らがこの先どうなるかを知りたいな!」と感情移入させたところで、「彼らの今後の活躍を見たければ、ゲームをプレイしてね」と誘導する流れだったわけです。アニメ自体の出来が結構良かったので、ここからアルゴナビスに興味を持ったという人は割といたんじゃないでしょうか。だから上手くいけば、運営の思惑通りアニメからのファンが沢山ゲームに流入してきたはず。

youtu.be

 ところが、このアニメの放送終了とゲームのリリースまで大幅に期間が開いてしまった。アニメの終了が2020年7月なのに、ゲームのリリースは2021年1月中旬と半年くらい間がある。元々は2020年後半にサービス開始予定だったので、恐らくコロナの関係で延期せざるを得なかったのだろうけど、そんなに期間が開いてしまったらその間に、アニメのファンの興味が薄れてしまっても当たり前。ましてや去年の下半期なんて毀滅やらツイステやらが大流行りしていたわけですし。それからやはりコロナの影響で、アルゴナビスの売りの一つの声優さんによるリアルライブがなかなか開催できなかったといのも手痛かったと思います。

 ②ゲームシステム

 ①以上にこれが戦犯。リリース当初のゲームシステムがあまりに酷かった。

・全曲に3DCGをつけたため、容量が激重。重すぎて音ゲー画面がカクカクする。ノーツと楽曲のずれが多発。

・3DCGがチカチカして眩しく、場合によっては背景の色とノーツの色が同系色になり、ノーツをタップしにくくなる。

・ノーツの大きさを変更できない。

・ストーリーのダウンロードや、ミニキャラを動かすのに時間がかかる

・無償配布石に有効期限があり、期限を過ぎると石が消失(←前代未聞。推しのガチャのために貯めておく人も多いのにそれをするなと?!)

などなどシステム面での問題が多く、リリースしてすぐに離脱者が大量発生。Twitterのでは2、3日目にして「ダブエス サ終」とサジェストが出てくる始末。ユーザーから意見があったのもあり、上で挙げた問題はちょっとずつ改善されていきましたが、既にダブエスの運営はちょっと……となっていたためその後もアクティブユーザーは殆ど増えませんでした。スタートダッシュに失敗すると立て直すのは難しいんだなと実感しました。

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 人気コンテンツであるバンドリの派生ということで、ブシロードさんもかなりお金をかけていたみたいなのに、何故肝心のゲームでこけるのか。DeNAではなく、バンドリ同様クラフトエッグさんに委託すればよかったのではないでしょうか。ガルバもプロセカも成功しているんだし。

  ③そもそも女性向けアプリが飽和しつつある

 今の時代、女性向けアプリで新しく成功するのは難しいです。8~10億ほどを毎月安定して売り上げているのは、あんスタのみでそれ以外のアプリは有名どころでも1億~5億をうろうろしている状態。特にアイドル系(ダブエスはバンドだけど)というか音ゲー系の女性向けアプリは、あんスタ、アイナナ、ヒプマイ、うたプリ等メジャータイトルばかり。こうした状態で売上を保つためには他とは違った個性もといセールスポイントがないとやっていけません。ダブエスは、オリジナル、カバーともに楽曲の質が高く、ストーリーも面白いですが他との差別化が図れるかと聞かれると、個人的には首をかしげてしまうところ。

 色々と書いてしまいましたが、私はアルゴナビスが大好きです。ダブエスは終わってしまいますが、アルゴナビスプロジェクトはまだまだ続くそうなので、これからも追っていくつもりです。何よりFantome Iris と二条兄弟の行く末を見届けなければならないですし。もちろん来年のリアイベも参戦するつもり。

 新プロジェクト(会社の設立とか新しいゲームとか)についても書きたいことはありますが、長くなったのでそれはまた別の記事で。